8月28日から、「新世代アーティスト展 矢島史織」が始まりました!!
「新世代アーティスト展」は、国内外で活躍の幅を広げている新進気鋭の女性若手アーティスト3人を連続してご紹介する展覧会です。
第1弾は、日本画家の矢島史織さんの作品を展示します!!
矢島さんは、「光と影」をテーマにした作品を制作されています。日本画といえば、花鳥風月といった和風の絵を想像しがちですが、矢島さんの絵はそれとは異なり、グラスに注がれた水や、木漏れ日、人物を中心に描いています。
これらの作品に一貫しているテーマは「光と影」です。
「光と影」を描き始めたきっかけは、ピンホールカメラのように、木漏れ日が太陽と同じ丸い形をしていることに驚いたことなのだそうです!
最初はそうした自然現象を描いていたそうですが、制作を重ねるにつれ、心象風景も投影させるようになったとのことです。
矢島さんの作品の特長のひとつは、日本画に使われる岩絵の具や胡粉、墨が織りなす色合いの美しさです。
岩絵の具や胡粉は、鉱物やカキの殻を細かく砕いた粉なのですが、それを膠(にかわ)で溶いて使います。粒子の細かさによって作品に光沢が出たり、膠の濃さを調節して水彩画のようなにじみを出したり、銀箔を焼いてつくる深みのある色など、さまざまな色合いを楽しんでいただけます。
透明感あふれるやわらかい色合いの作品に囲まれていると、自然と穏やかな気持ちになれそうです✤
「Blue Shade」 2014年 雲肌麻紙、膠、墨、岩絵の具
グラスシリーズ、木漏れ日シリーズなど、どれも素晴らしい作品ばかりですが、その中でもぜひおすすめしたい見どころは、最近描きはじめたという人物画です。
「Monster #1」「Monster #2」「Monster #3」の3点は、娘さんをモデルにした作品で、子どもの脳の成長に対する驚きをタイトルに込めたそうです!絵のかわいらしさとともに、矢島さんが特別にこだわりを持っているという白の質感―硬い感じ、柔らかい感じなど―の違いも味わっていただけます。
「Monster #1」 2015年 雲肌麻紙、膠、墨、岩絵の具
また、「Monster #3」は、最近完成したばかりの最新作で、なんと当館で初公開していただけました!!!
ぜひお見逃しなく!!!
また、グラスシリーズには、隠れた見どころがあります!
暑い夏など、見ていると冷たい水が飲みたくなるような、透明感あふれる美しい作品ばかりなのですが、その水にはよく見るといろんなものが映っています。
作品によっては、小さな犬も!!たいへんかわいいので、ぜひ見つけてみてはいかがでしょうか?
もうひとつ、矢島さんの作品のモチーフには人工物もたくさんあります。
水道の蛇口やコンビナートなど、無機質なものでも、矢島さんの手にかかれば叙情的でなんとも美しい光景になります!!
日常見かける何でもないものを、矢島さんの作品の中に見つけてみるのも楽しいと思いますよ☆
「新世代アーティスト展 矢島史織」は10月6日(火)まで開催します!
会期中は矢島さんによるワークショップも行います☆お楽しみに!!
第2弾は油彩画家の星美加、第3弾は水墨画家の安藤美香を取り上げます!こちらもお楽しみに!!